海外で合法化されている大麻のような価値の高い作物を扱う場合、収穫量を増やす技術というのは、その会社の収益に多大な影響を与えます。
品種、栽培環境の条件、そして栽培経験のすべてが、収穫物の品質とサイズに於いて重要な役割を果たします。
この記事では大麻業界のエキスパートであるライアン・ダグラス氏のお話を参考に収穫量の最大化について一緒に考えていきましょう。
ダグラス氏はライアン・ダグラス・カルティベーションのオーナーで、カナダ最大の医療用大麻の生産会社であるキャノピー・グロース社で、3年間ほど栽培指揮官を務めた経験の持ち主。
ちなみに彼はキャノピーグロース社で年間7万本の植物の生産と6トンの乾燥大麻の処理を指揮していたとか。
収穫量と質を向上させるには?
ダグラス氏が大麻栽培において収穫量と質を考える際には「3つの鍵」と呼んでいる以下の3つがある。
- 栽培者
- 品種
- ビニールハウス
この3つは、大麻の収穫量を増やすための基礎となるものという事らしい。
この記事ではそんな3つの鍵をブレークダウンして分かりやすく解説しようと思う。
栽培者の知識で収穫量を増加
大麻の収穫量を増やすメインの鍵となるのは栽培者について。
「言うまでもなく、商業用の植物生産の経験と技術を持った技術者が栽培施設を担当することが重要だ」とダグラス氏は言う。
経験豊富な生産者とは、タイミングと細部への配慮に優れているということだ。
商業向けの生産では、時間通りに作業を行うことが収量に大きく影響を及ぼす。
例えば、植物の不要な部分を摘んだり、剪定したり、葉を落としたりすることは、その植物のエネルギーがどこに行くかに直接影響がある。
そういった理由から剪定の時期が遅かったり、葉を十分に落としていなかったりすると、植物のエネルギーの多くが葉や茎の生産に使われてしまう。
その結果、一番大事な花が少なくなってしまうのだ。
時間通りに作業を行うという事は収穫量を大幅に増やすことができ、適切なタイミングでそれらの行動を取れる技術というのは、商業向けで10年以上のキャリアを持つ生産者だけだろうとダグラス氏は説明している。
品種の見極めで収穫増加
「収穫量が少ない植物にいくらお金をかけても、収穫量を増やすことはできません、そして収穫量が少ない品種というのはもちろん存在するので仕方が無い」とダグラス氏は続ける。
商業栽培の場合は1回の収穫で1平方フィート(約0.09㎡)あたり30~35グラムの乾燥大麻が収穫できるそうです。
もし栽培者がある品種を扱っていて、2〜3回収穫してもその数値に達しない場合は、収穫量を増やす事は非常に厳しいタスクとなるでしょう。
なぜならその品種はもともと収穫量の多くない品種なのです。
つまり、もし収穫量を増やしたければ栽培する品種を切り替えるという事しかないのです。
グリーンハウスで収穫量増加
ダグラス氏の経験上グリーンハウスがうまく機能していないと、大麻の収穫量が劇的に減るとい事があるみたいです。
ではうまく機能しているグリーンハウスとはどういったモノなのでしょうか?
温室が機能するというのは植物に最適な生育条件を提供できているという事らしく、栽培条件が慢性的に最適な範囲を逸脱していると、植物に負担がかかり、結果的に収穫量も減少してしまう様です。
例えば、夏季にグリーンハウス内の温度が高くなったり、晴れた日が続くと、温室内の温度が常に32度以上になると、植物は生存モードに入ります。
さらに高温状態が続くと、病気や害虫の発生リスクが高まり、さらには両性具有の植物のリスクも高まるかもしれません。
そういった最適な温度や湿度の管理ができる温室を作ることが、大麻の収穫量を増やすことにつながるとダグラス氏は語ります。
避けたほうがいい品種とは?
今の時点でわかっている事というのは、品種のネーミングには注意が必要という事です。
というのも、カリフォルニアで誰かが「ブルー・ドリームは収穫量が多い」と言っても、ミシガンで「ブルー・ドリーム」を栽培している人は、同じ名前でもまったく違う植物を栽培しているかもしれないのです。
そういった理由もあって収穫量が多い品種を特定するのは少し難しいのです。
しかし30~35グラムというのは低いハードルで、50グラム、70グラムを達成できれば大台に乗ったことになります。
そうなれば生産性が向上し、大きな利益を得ることができます。
栽培したい大麻の品種にこだわりがあるのであれば以下の記事の様に、身の回りにあるモノを活用して収穫量をあげる為の肥料を作る事も出来るので、是非ご一読下さい。
栽培環境を整える為に気をつけるポイント?
大麻の生産に最適な温度は、20℃ 〜 29℃の間です。
24時間の中で最も気温が下がるのは夜間か早朝ですから、グリーンハウスが適切に機能していれば、気温が20℃以下になることはありません。
つまり、グリーンハウスには効率的な暖房システムがあり、夜や冬の間も植物を温めることができるのです。
逆に言えば、1年のうちで最も暑い日にその温度以下を効率的に維持できるグリーンハウスが必要になるという事です。
このようなグリーンハウスでは、光を遮断したり反射させたりする遮光布と、冷却装置(除湿装置またはファン&パッドシステム)を組み合わせて使用します。
温室内の空気を循環させるには、水平気流ファンや垂直気流ファンなどの循環ファンが必要です。
最後に
さて皆さんいかがでしたでしょうか?
大麻の商業用栽培が合法な国では、上記の様に大麻栽培の総指揮を執る仕事があり、いかに大麻の収穫量を増やすかという事を日夜考えているわけです。
今回の記事の3つの鍵は商業用栽培の条件という事でグリーンハウスなどのお話がありましたが、海外の個人栽培家もこういった栽培スペースを自宅に設け、空調や照明等の趣向を凝らし、日夜収穫量を増やす努力をしているみたいです。
機材やセッティングが全てというわけでは無いですが、良い機材を持つ事も収穫量を増やす為の大事な鍵である事は疑いようの無い事実かもしれません。
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