彼女のドラッグエデュケーション
ボクの部屋で彼女と一緒に映画を観ようと思い、ボウルいっぱいのポップコーンとドリンクをキッチンで用意していると、さっきまでソファでスマホをいじってた彼女がキッチンに入ってきた。
そして、ボクの隣で植物の塊が入ったジップロックを、彼女が着ていたジャケットのポケットから取り出しはじめたのだ。
ボクがそれを何かを彼女に尋ねると、彼女はそれがマリファナだと言い、ジョイントを巻くのだと言いながら作業を続けた。
その塊を手で小さくバラバラに崩し始め、今度はホットパンツのポケットからタバコの巻紙を取り出したのだ。
彼女が横でジョイントを巻いている時、ボクの頭は真っ白だった。
それはボクの中では麻薬であり、人生を壊すモノだと教えられていたからだ。
拙い英語でその事を伝えると、彼女は笑いながら大麻について色々な事を教えてくれた。
それでもボクは彼女の話をすぐには信じなかった、それは薬物中毒者が大麻を吸う為に作った話だと思ったからだ。
しかしGoogleのおかげで簡単に情報にアクセスできる世の中だったので、彼女がボクに伝えた大麻に関する事が真実だとすぐにわかった。
大麻が医療目的や嗜好目的で使われている事、諸外国では様々な研究がされている事。
そしてなによりも衝撃的だったのは、ボクが学校で教えられた大麻に関する殆どの事が研究やデータに基づかない嘘だったという事。
映画を観ることなんかそっちのけで、彼女はボクに色々とレクチャーをしてくれた。
キッチンに放置されたポップコーンが完全に冷めきり、氷が溶けて味が薄くなった二杯のジントニックが出来上がった頃に、ボクは大麻が安全だと理解した。
そしてやっと彼女もジョイントに火をつけ、それを吸う事が出来たのだ。
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