大麻でQOL改善
ガンの話をこの記事の前半でちょこっと触れた時に、緩和ケアについても少し触れましたね。
その緩和ケアにおいて大事なのは、QOL(クオリティオブライフ)の改善だという事もお話しました。
しかし、大麻がQOLの改善に役立つというお話をする前に、そもそもQOLとはどういった概念なのかという事を、一緒に確認してみましょう。
国立がん研究センターの説明によると、QOLとは「治療や療養生活を送る患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質」を表しているそうです。
治療方法の選択や病気によっては副作用や症状のせいで、治療前と後で同じ生活ができなくなる事もあるのだとか。
患者自身が納得できる生活の質をキープするための一つの指標であり、さらには治療の効果だけで判断すべきではないといった事も関連しているみたいです。
例えば、後先を考えずに行う延命治療によって毎日起激痛が起き、それを鎮静させる為に使う鎮痛剤で意識が朦朧とし、会話も出来ない状態に陥る生活があるとします。
そういった生活は本当に患者の為になるのでしょうか?
それが患者さんのQOLを考えるという事なのです。
さて、ここからが本題で「大麻はガン患者のQOLを改善するのか?」です。
日本でリサーチしているデータがあればベストなのですが、日本国では不思議な事に大麻を用いる医療行為や、研究が出来ないので、ここでは海外の例を参照させていただきます。
ガン患者と大麻の関係をリサーチしたのは、 Illinois CancerCare(以下ILCC)という1977年に設立された財団で、主にガンと血液疾患に特化した研究機関で、米国のイリノイ州にある国立がん研究センターみたいなものというイメージで良いと思います。
ILCCが今回のリサーチで重点的に調べたのは、QOLの向上やガンに関係する症状(不安、痛み、不眠、食欲、吐き気と嘔吐)への改善、大麻の使用頻度、そして大麻製品をどのように使用したのかという事でした。
この研究で用いた調査項目は以下のとおりです。
- 大麻の使用頻度
- 使用した大麻の種類(口径、クリーム、喫煙、気化、オイル、チンキ)
- 大麻を使用した理由と、症状の改善
- QOLは改善されたか(Yes/Noの二択で回答)
- 医療大麻の副作用(Yes/Noの二択で回答)
91人のがんを患う回答者のうち全員が、がんに関係する症状が改善されたと回答し、各種症状に関しては以下の様に報告されています。
- QOLの改善:87.9%
- 不安の改善:98%
- 不眠の改善:92%
- 吐き気・嘔吐の改善:95%
- 痛みの改善:94%
- 食欲の改善:92%
最も症状が改善された患者の71.6%は毎日か、日に複数回大麻を使用したと答えました。
大麻製品の摂取方法では経口摂取(原文ではOral)が54%、喫煙による摂取が46%という結果でした。
ちなみにこの調査で大麻による副作用を感じた人は誰もいなかったみたいです。
以上すべての結果からILCCは大麻の恒常的な使用は、QOLやガンに関係する症状を改善するという結論を出しました。
以上の調査からもわかるように、緩和ケアにおいて大麻は非常に優れているんですね。
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